nico 2015年7月
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8HOW? エナメル質形成不全症(MIH)とは、エナメル質が先天的にもろい状態をいいます。永久歯の前歯と6歳臼歯にみられることが多く、見た目の特徴としては、初期むし歯の白濁とは少し違ったマット感のある色、そして黄色っぽい変色があげられます。 こうなる原因は不明なのですが、歯があごの骨のなかで育っているとき、エナメル質が十分に成熟しないことによって起きると考えられています。たとえば永久歯の前歯と6歳臼歯はほぼ同じ時期にあごの骨のなかで育つので、その時期の記録が歯に刻まれて生えてくるというわけです。 前歯の場合、通常エナメル質に強い力がかからず、歯面もくちびるや舌と絶えずこすれてプラーク(歯垢)が溜まりにくいこともあって、欠けやむし歯といったトラブルが起きることはまれです。ただ、変色が気になるかもしれませんね。 一方、問題が起きやすいのが奥歯です。6歳臼歯など、噛んだときの強い力を受け止める歯がエナメル質形成不全症だと、噛み合っている歯とぶつかっているうちに、歯が崩れたり欠けたりして、そこにプラークが溜まるとむし歯が発生します。by Dr. 杉山精一一般社団法人 日本ヘルスケア歯科学会代表千葉県・杉山歯科医院院長QAうちの子は歯が弱いなあと悩んでいたら、エナメル質形成不全症(MIH)だそうです。エナメル質がもろいそうで、心配です。調査の結果では、10人に1人にある症状で決してめずらしいものではありません。永久歯の前歯と6歳臼歯にみられることが多くとくに奥歯は強い力がかかり崩れやすいので定期的に歯医者さんで診てもらいましょう。エナメル質形成不全症(MIH)って?
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