nico 2022年8月号
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手術時のトラブルを防ぎます。手術後の肺炎のリスクを減らします。り込んで、手術後に肺炎(誤嚥性肺ことがあります。実際に、挿管時の細菌の誤嚥により肺炎が増えるというデータが、食道がんや頭と頸け部ぶがんで報告されています。術後の回復が順調に進むよう、全身麻酔での手術を受けられるかたには、あらかじめ歯科を受診して、できるかぎりお口を清潔にしてもらうようお願いしています。お口のなかには非常に多くの細菌がいます。放置されているむし歯やがんの手術は、たいていは全身麻酔で行われます。全身麻酔では、麻酔薬を吸引、または点滴で静脈注射することで、意識をなくして痛みを感じなくさせます。呼吸が弱くなるので人工呼吸器で呼吸を補助します。気管チューブを患者さんのお口から気管へと挿し込んでいくのですが、このときグラグラしている歯があると、それが折れたり抜けることがあります。チューブは人差し指ほどの太さがあり、挿入時の摩擦はかなり強いので、歯にこすれやすいのです。折れたり抜けたりした歯が気管に入ると、窒息の危険があります。そのため、グラついている歯がある患者さんには、手術の前に歯科で歯を抜いてもらうようお願いしています。気管チューブを通すとき、お口の      ういDaPなかが汚れていると、細菌が肺に入炎)などの合併症を起こしてしまうQuestiontientoctor14nswerA全身麻酔のもと人工呼吸用のチューブを挿入します。このときにお口の状態が関係してきます。がんの手術の際には、え、がんの手術に歯科治療が関係するんですか?意外な感じですけどどういうことでしょう?がんの手術は多くの場合、全身麻酔で行います。このとき人工呼吸用のチューブをお口に入れるのですが、その際、歯が折れたり抜けるのを防いだり、手術後の肺炎や傷口の細菌感染を防ぐために歯科治療が重要となるのです。合併症が減る。肺炎などの

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