nico 2022年11月号
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よく噛むと食べる量が減る。食べるのが速い人はひと口量が多くなりがち。噛んでいない」ということです。では逆に、よく噛めばカロリー摂取量は減るのでしょうか?見てみましょう。松尾 ←は成人が参加した研究で、「ひと口10回噛んだとき」と「35回噛んだとき」で食物摂取量がどう変化するかを調べたものです。実験の参加者は13名と少ないですが、興味深い結果が出ています。えーと、ひと口10回だと食物摂取量は358g、ひと口35回だと313gになっていますね!松尾 つまり12%減った計算になります。おー、1割は結構大きいですね。松尾 この研究は、そもそもフレッチャーの提唱した健康法が事実かどうかを検証するために行われました。フレッチャー……。どこかで聞いた覚えが。松尾 ホーレス・フレッチャーはいまから100年くらい前の実業家で、次の研究を  自身の体験から、「いっぱい食べないようにするにはゆっくり噛みましょう」と提唱した人です。「フレッチャーイズム」という言葉、聞いたことないですか?松尾 この研究でもうひとつ面白いのは、適正体重の人と肥満の人で、食物を「口に含む回数」も調べていることです。適正体重の人は67回、肥満の人は48回。けっこう違いますが、これが何か?松尾 これは、同じ食事をしているのに、肥満の人は口に含む回数が少ない要するに、ひと口量が多いから、口に入れる回数が少ないことを意味しているんです。あー、なるほど。ガバッとたくさんほおばるわけですね。松尾 はい。ですから、食べるスピードが速い人は、よく噛まないだけでなく、ひと口量も多くなっていると考えられますね。口に含む回数(回)食物摂取量(g)食事時間(分)●英国の成人男女計13人に、ゆでたパスタ500gと50gのバジルペーストを主観で「腹8分目」になるまで食べてもらいました。その際、ひと口に対し10回噛んだときと35回噛んだときで、摂取量がどうなるかを検証したところ、35回噛んだほうが摂取量が減りました。●また、適正体重の人と肥満の人では、口に含む回数が、 肥満の人のほうが少ない(=ひと口量が多い)傾向も見られました。(Smit HJ et al. Does prolonged chewing reduce food intake? Fletcherism revisited. Appetite. 2011 Aug;57(1):295-8.)咀嚼回数が多いほど摂取量が少なくなる肥満の人は食事中に口に含む回数が少ない=ひと口量が多い358±19g69.6±4.0回15.1±0.6分ひと口10回咀嚼回数313±17g61.2±3.8回28.6±1.8分ひと口35回適正体重355±29g67.3±4.3回17.5±1.8分肥満240±25g48.4±5.3回15.2±1.0分2022年11月号41よく噛めばカロリー摂取量は減る?

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