nico 2023年2月号
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(表面麻酔)(浸潤麻酔/伝達麻酔)「痛い!怖い!」はもはや昔のイメージそもそも麻酔は何のため? 抜歯やむし歯の治療、重度の歯周病の外科治療を受ける際などに用いられる麻酔注射。「注射」と聞くだけで、顔をしかめる人は多いですよね。しかもそれが敏感なお口のなかに打たれるとしたら……。治療を受けないといけないのに、麻酔注射が嫌で、先延ばしにしているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。 でも、そこまで怖がる必要はありません。いまの歯科の麻酔注射では、患者さんに痛みを感じさせないように、さまざまな配慮や工夫がされているのです。 注射だけでなく、麻酔薬自体に不安を覚えるかたもいらっしゃいますよね。そもそも麻酔は、いまある痛みを取り除いたり、治療中の痛みを感じさせないようにするものです。しかし、抜歯やむし歯の治療をはじめ、歯科治療の多くは痛みをともないます。 強い痛みや緊張、ストレスは、身体によくない影響を与えます。血圧や心拍数を増加させて脳や心臓に負担をかけたり、失神や脳貧血を起こしかねません。こうした事態を避けるために、麻酔を使って痛みを除去し、身体に負担をかけないことが大切なのです。 40麻酔注射を打つところに麻酔薬を塗布する表面麻酔薬がしっかり効くまで時間を置く麻酔薬がしっかり効くまで時間を置く抜歯など、目的とする歯科治療を行う●麻酔の注射には、「浸潤麻酔」と「伝達麻酔」の2つがあります。注射の前には「表面麻酔」で針を刺す部位の感覚を麻痺させ、痛みを感じないようにします。麻酔の効果が出るまでには時間がかかりますので、それぞれの段階で、時間を十分にとっています。●一度痛みを感じると、痛みを感じやすくなってしまいます。それから麻酔薬を追加しても、脳が「痛い」というのを覚えてしまうので、麻酔が効きにくくなります。だから歯科医師は、麻酔が効くのをじっくり待ってから処置をはじめるのです。「注射を打ったなら早く治療して」と思われるかもしれませんが、麻酔がしっかり効くまでお待ちください。麻酔薬を注射する麻酔注射の流れ歯科の麻酔注射は昔より、痛くなくなっています!

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