nico 2023年9月号
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 昔は、むし歯や歯周病から骨髄炎や骨壊死を起こすかたがいましたが、抗菌薬の登場によって骨壊死にまでいたることはまれとなりました。ところが20年ほど前から骨壊死を再び目にするように。そういったかたに共通していたのが、ビスホスホネート製剤の使用だったのです。 骨は新陳代謝しており、古い骨が壊され新しい骨が作られています。骨粗しょう症の薬によって骨の新陳代謝のはたらきが弱められ、骨が壊死するのではないかとみられています。ただ、ビスホスホネート製剤とデノスマブ製剤を使用されているからといって、必ず薬剤関連顎骨壊死が起きるわけではありません。 人のお口の中には、つねに多数の細菌(常在菌)が存在し、清潔に保たなければ、むし歯や歯周病が進行てしまいます。進行することによって、細菌感染が骨にまで及び、薬の影響もあって顎骨壊死が発症すると考えられています。=し垢)舌==歯は骨に刺さっている状態傷によって骨が露出しやすい起きる?お口の中はリスクが高い歯周病根尖病変あごの骨プラーク(歯の付着いないと、むし歯や咀嚼により傷ついた歯ぐきこう歯はあごの骨に植立している口の中には多数の常在菌がいる皮膚と違って歯ぐきは薄い清潔にして合っていない入れ歯によって持続的な傷ができやすい骨が露出しやすい16(下の前歯の断面図)歯周病などになってしまうもともとお口は、骨壊死を起こしやすい環境なぜ、あごの骨にだけ

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