生のキモチ抜いたほうがいい理由2023年12月号15◆歯根破折は、最初は痛くなく、噛んだときに違和感がある程度。そのため「歯根破折が起きています」とお話して抜歯をすすめても、「考えておきます」というかたが多いです。◆しかし、歯根破折のヒビのすき間からはお口の中の細菌が歯ぐきの中に入っていきます。すると細菌の影響により、歯の根のまわりのあごの骨がなくなっていきます。ですから抜歯しないでそのままにするほど、あごの骨が減っていき、抜歯後の歯を補う治療の難易度が上がります。◆くわえて、いまは違和感だけでも何年後か何ヵ月後に激痛やひどい腫れを生じることもよくあります。炎症が広がっていると麻酔が効きにくくなるため、いざ抜歯をするときにも痛くなりがちです。◆残念なことに歯根破折は、たとえ歯科に定期的に通っている患者さんにもある日突然起こり得るトラブルです。歯の根の治療をした歯に起こりやすいので、「歯の根の治療をした歯では無理な噛みかたをしない」というのが予防のひとつになりますが、それでも絶対に防げるものではありません。歯根破折を起こした歯先
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