nico 2024年8月号
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舌は全身の健康のバロメーター古ま34 来、東洋医学では、舌は全身の状態を写すものとして重視されてきました。たとえば貧血などで血液中の赤血球が少なくなると、舌は白っぽくなります。一方、脱水などで血液中の水分が少なくなれば、血液が濃縮され、舌の赤みが増します。●舌を出してから力を入れたり抜いたりすると、見え方が変わってしまいます。舌を前に出して、少し力を抜いてから見ましょう。●1回だけでなく、継続的に見ることが大事です。とはいえ、体調の変化はすぐにあらわれるものではないので、心配だからと数時間ごとに見る必要はありません。1週間に1回くらいで十分でしょう。●できるだけ明るいところで見ましょう。●起床直後は、お口の中が汚れがちですので見るのに適しません。コーヒーやカレー、かき氷など、色のつきやすいものを飲食した後も同様です。●気になったところは、スマホで写真を撮っておくのも手です。舌の内部には、毛細血管が無数に張りめぐらされています。舌が赤いのは、その血液(ヘモグロビン)の色に由来します。そのため舌には、舌の内部の血液の状態、つまり全身の状態が反映されています。 た、舌の上にできる舌ぜっ苔たいも、全身の状態とかかわっています。舌苔は、お口の粘膜からはがれた細胞や粘液、食べかす、細菌などが「舌ぜつ乳にゅう頭とう」(舌の表面に無数にある突起)に付着してできたものです。一般に胃腸の機能が低下すると、舌乳頭が変化して舌苔は増加します。一方、貧血や栄養不良などでは舌乳頭が消失(委縮)するので、こんなふうに、舌は全身の健康状態をあらわす舌苔は付着しにくくなります。バロメーターなのです。舌を見るときのお作法

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