必ず上達 歯冠修復(下)
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第27章咬合調整182咬頭嵌合時における早期接触と咬合調整図8 咬頭嵌合位における早期接触(咬頭干渉,いわゆる「高い」を意味する)で,1)中心支持咬頭と対咬する中心溝(窩)付近での接触(図中左,①)と,2)偏心運動様接触(同名咬頭どうし=作業側様咬頭干渉,異名咬頭どうし=平衡側側様咬頭干渉)(図中右,②と③)における咬頭干渉状態とその調整部位を示す.本図では各種偏心運動様接触における咬合調整部位を色分けして示した.それぞれの咬頭干渉に対して上下歯列の同色部位を咬合調整する.【POINT】咬合調整時の削合法の基本と禁忌図9a~c bに,咬合調整時の削合における基本的なバー・ポイント類の当て方を示す.咬頭をシャープにするように鋭角にポイント類を当てることではじめて表2中の1~4の内容が実現できる.また,咬合調整にあたってcのように咬頭を水平に削合することは,①咬合高径の低下,②オクルーザルテーブル(咬合面)面積の増加,③非機能的な咬合接触(面接触),などの原因になるため禁忌である.5‐1‐3)咬頭嵌合時における咬合調整の実際 図10~14に,咬頭嵌合時における咬合調整の実際として咬合接触状態の検査から咬合調整までの過程を示す.①中心支持咬頭と対咬する中心溝(窩)付近での接触・過高な咬頭頂を減ずる・咬頭をシャープにする・中心溝(窩)を深く・広くする②偏心運動様接触(同名咬頭どうし)③偏心運動様接触(異名咬頭どうし)偏心運動様接触の場合には咬頭干渉が発現している部位を咬合紙で特定することが重要である(同時に複数の咬頭が干渉することもある).作業側様接触(②に相当)ではBULLの法則に従い非機能咬頭を主に咬合調整を行う.平衡側様接触(③に相当)では干渉している上下の機能咬頭内斜面をバランスよく削合する.BLBLLBLBLBabc
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