長期安定インプラント治療
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91.1 インプラント手術を成功に導くための切開とそのデザインか、あるいは、歯肉被覆型(subgingival、2回法)にするのかについても考え、総合的な配慮の下、デザインを決定していく(表1‐1‐1)。切開デザインの実際とその根拠3 このように、切開デザインは個々の症例の状況に応じて決められるべきであるが、切開デザインのパターンをある程度簡便化したほうが初心者にわかりやすい。以下、実際の臨床で筆者が多用している切開デザインについて、単歯欠損での切開、複数歯欠損での切開、無歯顎での切開の3群に分けて述べていく。1.単歯欠損での切開①臼歯部中間単歯欠損 ここでの切開デザインの基本は、前方隣在歯の歯肉溝‐欠損部歯槽頂上‐後方隣在歯の歯肉溝を結んだものである(図1‐1‐4)。使用するメスは、No.15または図1‐1‐1 口腔領域で使用されるメス(上段より、No.15、No.12、No.11)。インプラント手術ではNo.15が繁用される。図1‐1‐2 No.12メスによる歯肉溝内切開。図1‐1‐3 斜めに切開した創は縫合時のオーバーラップにより瘢痕の原因となりやすい。表1‐1‐1 切開デザインを決める要因●臨床解剖 ─オトガイ神経、舌神経、大口蓋動脈●粘膜所見 ─病理、付着歯肉幅、小帯●併用治療の有無 ─骨移植、GBR●インプラントシステムごとの切開法 ─transgingival、subgingival
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