脱・チタンエイジング
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78はじめに 近年のインプラント治療の進化には目を見張るものがある。インプラント治療の適応症を拡大するためのさまざまな治療方法や材料、機器などが開発されてきた。そして、インプラント治療を行ううえで、ここ数年の変化の最たるものがCTおよびコンピュータシミュレーションの進化であると思う。また、医療全体を見た場合、サービスの時代からホスピタリティの時代へと変化しているように思われる。 サービスの語源はラテン語のServus(奴隷)であり、サービスとは語源のとおりサービスを受ける立場が主であって、サービスを提供する立場は従となり、主従関係がはっきりしている。 ホスピタリティの語源はラテン語のHospics(客人などの保護)で、それが英語のHospital(病院)、Hospice(ホスピス)などの言葉に発展したとされる。ホスピタリティとは、単に対価を求めての行動ではなく、おもてなしや喜びを与えることに重きをおいて行動することによって顧客満足を向上させ、その結果として報酬がついてくるという考え方である。ホスピタリティ・コンセプトに基づいたインプラント治療 ホスピタリティのコンセプトを医療の場に導入するためには、まず、医者も患者も対等な関係で、病気を治すために共に協力し合う相互信頼を確立することが重要である。 例えば、患者が医療機関で受診するということは、どこかに病気があるとか痛みや違和感を抱えているからであって、患者はそのさまざまな不安要素を早く取り除きCT・CAD/CAM によって変わるインプラント治療(基礎編)ホスピタリティ・コンセプトに基づいたインプラント治療Implant Dentistry Changed by CT and CAD/CAM(Fundamen-tals)─Implant Treatment Based on the Concept of Hospitality─三好敬三(三好デンタルクリニック、インプラントセンター21®)Keizo Miyoshi(Miyoshi Dental Clinic, Implant Center 21®)
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