脱・チタンエイジング
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90はじめに わが国は世界でも他の先進諸国のなかでも特に多くのCTを保有する。さらに近年CBCT(コーンビームCT)の開発が急速に進み、当初の予想を覆し、一般開業医のオーナーが増え続け、ある調査によれば、現在およそ50軒に1台の割合に迫る勢いでCBCTが導入されつづけているようである。 精度向上、被曝線量の低下、コストパフォーマンスの向上により今後さらにインプラント治療の診査にCTによる三次元シミュレーションが行われる機会が増えることが予測される。 また一方で、CBCTが適切に使用されるためのガイドラインがヨーロッパ各国、日本、アメリカ合同で開始された(http://www.sedentexct.eu/guidelines)。さらに、最近になって、「歯科用コーンビームCTの利用に関する基本原則」欧州歯顎顔面放射線学会のコンセンサスガイドライン」(2009年1月)が岡野、新井らにより示されている1)。そのなかで、CBCT撮影に関しては、利益がリスクを上回ること、必要に応じて撮影範囲をコントロールできること、使用者は知識を十分持ち、情報をアップデイトし続けることなど、20項目の要件が挙げられており、むやみにCBCT撮影がなされ、国民が不必要な被曝に曝されることについて警鐘が鳴らされている。 われわれインプラント治療を手がける臨床医は、CTシミュレーション、CAD/CAM技術の特徴や有効性を十分理解したうえで、患者に対して本当にメリットになるよう応用しなければならない。CT、CAD/CAM技術の利点 シミュレーションソフトの発達により、従来のフィルCT・CAD/CAM によって変わるインプラント治療(応用編)コンピュータシミュレーションの応用Implant Dentistry Changed by CT and CAD/CAM(Application)─Application of Computer Simulation─石川知弘(石川歯科、5-D Japan・ファウンダー)Tomohiro Ishikawa(Ishikawa dental clinic,The founder of 5-D Japan)
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