サイナスフロアエレベーション
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412366第1章 CTが語るサイナスリフトの真実 サイナスリフトにおいて、トラップドア部をチタンメッシュとマイクロスクリューなどで強固に閉鎖することは、上顎洞粘膜の腫脹による骨補填材の流出を予防するために有用と考えられる。上顎洞前壁が陥凹している症例や減張切開を行った症例では、フラップとトラップドア部の間に死腔が生じ、同部に骨補填材が流出する可能性がある。術後に生じる上顎洞粘膜腫脹の程度を予測することは不可能であるため、トラップドア部を強固に閉鎖することは、予知性の高いサイナスリフトにおいて重要と考えられる。 筆者は、術後1週間に生じる上顎洞粘膜の腫脹によるβ‒TCP顆粒の流出を予防するために、トラップドア部をチタンメッシュで閉鎖している。本例は欠損に対してインプラント治療を希望し、当院を受診した。上顎洞は下方に発達していたため(図1~3)、サイナスリフトを施行した。 十分な上顎洞粘膜の挙上後にβ‒TCP顆粒を填入し、トラップドア部をチタンメメッシュ(プロシード)で閉鎖し、セルフタップのマイクロスクリュー(プロシード)で固定した(DVD 05)。術直後のパノラマエックス線写真では、β‒TCP顆粒、チタンメッシュおよびマイクロスクリューが認められる(図4)。トラップドア部の閉鎖症例 (非喫煙者・Type 3・Type A)の経過トラップドア部は強固に閉鎖をチタンメッシュとマイクロスクリューによる強固なトラップドア部の閉鎖報告DVD05PLAY❸ 術後:CTで判明した新事実Dサイナスリフトの落とし穴
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