有病者の対応チェアサイドSOSブック
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図解“必要な時に、さっと見てわかる!”バイタルサインのとり方・読み方血圧“必要な時に、さっと見てわかる!”図解バイタルサインのとり方・読み方 収縮期血圧140以上または拡張期血圧90以上を「高血圧」といいます。それ以下が正常血圧ですが、その中でも血圧の値から至適血圧、正常血圧、正常高値血圧に分けられています。また、収縮期血圧が≧140で、かつ拡張期血圧が<90のものを「収縮期高血圧」と呼んでいます。 脳卒中の危険因子としては収縮期血圧の方が重要と言われています。高齢者では血管の弾力性が減り、収縮期血圧のみ高値を示すことも少なくありません。 日本高血圧学会による歯科治療時の血圧管理指針は以下のとおりです。2正常値と異常値の読み方Ⅲ度高血圧Ⅱ度高血圧Ⅰ度高血圧正常高値血圧正常血圧至適血圧8011085拡張期血圧(mmHg)90100180120130140160収縮期血圧(mmHg)~歯科治療時の血圧管理指針~❶歯科治療中にも脳卒中など心血管病の発症リスクがあることにより、歯科治療に際しても、高血圧の有無と血圧管理状況について事前に評価する必要がある。❷血圧が180/110mmHg以上であれば、緊急処置以外は内科医への紹介を優先する。❸降圧薬を服用中の患者では、歯科治療当日も服用を忘れないように指導する。❹歯科治療中、疼痛や不安をともなう処置や時間を要する歯科手技などは血圧上昇が大きいことが報告されている。アドレナリン(エピネフリン)を含む局所麻酔薬により、わずかではあるが血圧は上昇するので、その使用量に配慮しつつ、疼痛管理に必要な麻酔は確実に行うよう心がける。❺強い不安を訴える患者には精神安定薬の処方も考慮する。3歯科治療時の血圧管理指針(参考文献1を引用改変)(参考文献1より引用改変)参考文献1.日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会.高血圧治療ガイドライン2009.東京:日本高血圧学会,2009.成人における高血圧の基準値78

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