ペリオドンタル・マイクロサージェリー
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51根面被覆術図5h 縫合直後.は比較的大きな面積の歯根露出を認めたため,歯肉弁の歯冠側への移動量を考慮しランガーテクニック変法を用いた.縫合は懸垂縫合を行った後,ジョイント部分をバットジョイントに緊密縫合するべく単純縫合を加えている. 移植片の挿入法および形態であるが,移植片の露出部分をみると切縁はストレートでスキャロップの形状とは異なる.しかしながら治癒後の状態をみると,きれいなスキャロップ状を呈し,CEJ付近までクリーピングしているのが認められる.よって移植片への形態の付与(スキャロップ形態)は考慮しなくてもよいと考え,移植片の垂直的歯肉レベルに注意し切開から手技を考えていくことが重要である.Point術後3か月/最終補綴物装着時図5i 術後3か月.の歯肉レベルは予測したレベルより歯冠側に位置している.図5j 最終補綴物装着時.歯肉レベルや歯肉スキャロップのバランスが改善され,審美修復治療が完成した(補綴は大河雅之氏による). 結合組織移植による根面被覆は根面をしっかり被覆すべくCEJより歯冠側に移植片を位置させる.オーバーコレクションの手法を推奨する声も聞かれるが,本ケースのように移植が成功すれば上皮は結合組織を這って形成されるため,移植片を設置するレベルは術者が「この位置に歯肉レベルを置きたい」と思う位置でよいと考え,筆者はオーバーコレクションはしていない.評価

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