ビジュアライズド イラストレーションズ
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88How to Endodonticsレッジ形成の謎レッジ ファイルが根尖孔まで穿通しないときによく想像されるのが,「根管の石灰化」である.たしかに石灰化は起こるのだが,穿通しないケースのほとんどの場合,湾曲根管外輪部にファイルが当たり,根尖方向にファイルを進めることができないことに起因している. 通常用いられるKファイルの先端部側面にはエッジが付与され,側方への拡大ができるようになっている.このため,ファイルが湾曲部を通過しないで回転し続けると,その位置でのみ側方に拡大されレッジとなってしまう. 根管形成時にできる段差をレッジ(ledge)とよぶが,根尖部にできるとチャック(Zipper)を開くような形になるのでジップ(zip)とよばれる.レッジ形成された位置により,d~gのように分類される.d:レッジ.e:ジップ.f:レッジ+穿孔.g:ジップ+穿孔3.電気的根管長測定器の読み方a:#10のファイルは根尖孔の太さと比較して十分に小さいので,歯髄組織を圧縮しないで穿通できる.b:電気的根管長測定器では,根尖孔の太さに対してファイルのサイズが小さいと電気抵抗値が不安定になるのでメーターの指針(表示値)も上下動して安定しないことがある.この場合,ファイルのサイズを上げて根尖孔の太さに近づくと安定していく.また根尖孔の形態は必ずしも円形ではないことにも注意したい(メーター指針の不安定要素になる).abc#10ファイルabレッジdefgエッジ

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