ITI vol.4
1/8
修正された荷重プロトコールでオッセオインテグレーションを獲得する際にいくつかの因子が重要な役割を果たすことが明らかになっている。インプラントの初期固定、インプラント表面性状、解剖学的状態、骨代謝、暫間補綴物デザイン、治癒期間中の咬合様式などである。理想的には、無歯顎患者の適切な荷重プロトコールを選択する際にこれらを考慮するべきである(5章参照)。 第4回ITIコンセンサス会議によって、さまざまな症例に対して臨床的に推奨されるインプラント荷重プロトコールが新規の検証プロトコールを用いて提示された(JOMI別冊、2009)。この検証は表2-1に示されたパラメータに基づいている。臨床的に推奨される各種荷重プロトコールを提案するために、研究デザイン、サンプルサイズ、結果の均質性(OH)を基本的なパラメータとして考慮した。各治療プロトコールでインプラント生存率の偏差が10%以下の場合、結果均質性をポジティブ(OH+)、10%より大きい場合をネガティブ(OH-)とした(表2-1)。 これらの基準を用いて、科学的ならびに臨床的な検証が以下の4つのグループに分類された:・SCV:科学的かつ臨床的に検証されている・CWD:臨床的によく実証されている・CD:臨床的に実証されている・CID:臨床的に十分実証されていない もっとも高いレベルの科学的かつ臨床的な検証は下顎オーバーデンチャーと上顎固定性補綴物における通常荷重で報告された。十分でない科学的もしくは臨床的な実証および検証が、上顎オーバーデンチャーにおける即時荷重ならびに上顎もしくは下顎での固定性あるいは可撤性補綴物における即時埋入・即時荷重の報告でなされていた。他の無歯顎症例の荷重プロトコールには適切な科学的な検証がなく、さまざまな程度の臨床的な報告がみられた(表2-2)。2.1無歯顎患者における骨内インプラントの荷重プロトコールに関して推奨される臨床術式表2-2 上下無歯顎における補綴治療タイプによる荷重プロトコールの実証SCV:科学的にも臨床的にも完全に実証された―深緑;CWD:臨床的に十分に検証された―薄緑;CD:臨床的に検証された―黄;CID:臨床的に検証が不十分―赤。可撒性固定性上顎下顎上顎下顎通常荷重CWDSCVSCVCWD早期荷重CDCWDCDCD即時荷重CIDCWDCWDCWD即時埋入・即時荷重CIDCIDCDCID2章 第4回ITIコンセンサス会議議事録:インプラント歯学における荷重プロトコールITI Treatment Guide22
元のページ