ITI vol.4
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表2-2には科学的根拠に基づいた荷重プロトコールの簡易化した選択方法を各臨床状況に対し示す。深緑と薄緑の荷重プロトコールは、さまざまな文献で少なくとも臨床的に十分実証されており、均質な結果を有している。黄色グループは少数の文献あるいは限られたサンプルサイズで臨床的に実証されたものを示している。赤グループでは、すべてのプロトコールが生存率の評価時に結果の均質性がなく、大きな偏差がみられた。これらのプロトコールは技術依存性が高いとみなされるべきであり、赤グループの荷重プロトコールを選択する際には、患者の選択、術者の技能、患者にとってのリスク対効果を注意深く考慮すべきである。 しかしながら、症例の中にはSAC分類に基づいた先進的あるいは複雑とみなされる処置が含まれているわけだが、それらの処置の複雑性のレベルにまではここで言及していない。 当グループはCochranらによって発表された前ITIコンセンサス会議の結論と合意声明、および他の機関による荷重プロトコールのさまざまな定義を再検討した。表2-3には提案されたさまざまな用語の定義をまとめた。 2002年にスペインのバルセロナで開かれたコンセンサス会議で荷重プロトコールが議論され、インプラントの荷重時期に関する以下の定義がAparicioらによってまとめられた:・即時荷重:補綴物がインプラントを埋入した日に装着される。・早期荷重:補綴物が通常の治癒期間である3~6ヵ月より短い期間内の二次的な処置時に装着される。荷重時期を何日、もしくは何週というように規定すべきである。表2-3 荷重プロトコールの定義の要約と用語解説即時荷重早期荷重通常荷重遅延荷重用語解説バルセロナコンセンサス2002<24時間>24時間<3~6ヵ月3~6ヵ月>3~6ヵ月非咬合性荷重:中心咬合位で咬合接触を付与させない修復ITIコンセンサス2003<48時間>48時間<3ヵ月3~6ヵ月>3~6ヵ月即時修復:咬合接触を付与させない即時荷重European Association of Osseointegra-tion 2006<72時間>3ヵ月(下顎)>6ヵ月(上顎)>3~6ヵ月即時修復もしくは非機能即時荷重は、インプラント埋入後72時間以内の咬合接触を付与させない修復と定義されるCochran システマティックレビュー2007<1週>1週<2ヵ月>2ヵ月即時荷重は咬合接触の有無を問わない2.1.1 用語の定義Volume 4 Loading Protocols in Implant Dentistry Edentulous Patients232.1 無歯顎患者における骨内インプラントの荷重プロトコールに関して推奨される臨床術式

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