ITI vol.4
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アップからプロビジョナルテンプレートを作製した。プロビジョナルテンプレートは手術中の外科用ガイドとして機能し、スクリュー固定式の暫間ブリッジのベースとしても使用した。テンプレートを安定させるため、口蓋と上顎結節部に広いベースを形成した(図6-2-4-4a、b)。 局所麻酔下で残存歯を抜歯し、プロビジョナルテンプレートをインプラント埋入のガイドとして使用した(図6-2-4-5)。 犬歯部の抜歯窩には頬側壁にフェネストレーションや裂開がなく、他すべてのインプラントは8~10mm以上の歯槽頂の幅のある治癒した骨に埋入したため、フラップレスアプローチを選択した。歯槽頂へのアクセスはムコトームを用いてパンチングで行った(図6-2-4-6)。抜歯窩へのインプラント床の形成は、抜歯窩の頬側壁に触れないように口蓋側の骨に行った。 6本のストローマン テーパードエフェクト(以下TE)SLActiveインプラントをスタンダードプロトコルに沿って埋入した。遠心部位では2本の直径4.1mm、長さ10mmのTEインプラントを使用し、4つの残る部位には14mmの長さのTEインンプラントを使用した(図6-2- 4-7)。すべてのインプラントには最良の初期固定と35Ncmを超える挿入トルクが得られた。 TEインプラントの選択は、即時荷重プロトコールにおいて最良の初期固定を得る必要があることを基にした。臨床医の経験に基づくと、TEインプラントの骨治癒部位への使用は、いかなる悪影響も生じず、初期固定を向上させる。高い骨伝導性を示し、迅速にオッセオインテグレーションを達成するSLActive表面を使用する選択をしたことは、荷重プロトコールに関連していた。充填材(脱タンパクウシ骨ミネラル、DBBM)を抜歯窩の頬側壁とインプラントの隙間に充填した。同じ材料を12、11と21部位の歯槽堤保存に使用した。抜歯窩は最後にコラーゲンスポンジで封鎖し、5-0ポリアミド糸にて縫合固定した。図6-2-4-5 外科用ステントとしてのプロビジョナルテンプレート。図6-2-4-6 ムコトームを用いたパンチ法。図6-2-4-7 14mmの長さのTEインプラント。図6-2-4-8 暫間修復のためのsynOctaチタンコーピング。Volume 4 Loading Protocols in Implant Dentistry Edentulous Patients1696.2.4 上顎に埋入された6本のインプラントへの即時荷重とフルアーチのCAD/CAMジルコニアFPD(固定性歯科補綴物)による最終修復

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