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464)Ni-Tiワイヤで歯列弓の形状がどのように変わるか? 変えられるか?<正しいNi-Tiワイヤの使い方>アーチワイヤの作用について■ アーチワイヤにはactive function(積極的に歯を並べて正しい位置に移動する作用.図Ⅱ‐9,12)とpassive function(正しい位置に移動された歯を保持する作用.図Ⅱ‐11,14)とがある.■ アーチワイヤの種類,材質,太さ,形状などによってそのactive functionとpassive functionの割合が異なってくる.Ni-Tiワイヤは自在なactive functionと適度のpassive functionをもつ■ .016",.018"round,.016"×.016"は主としてactive functionでありpassive functionはわずかである.そのため,ゴムの使用(とくに顎間ゴム)はできるかぎり避ける.■ .018"×.018",.020"×.020"ではactive func-tionが少なくなり,passive functionが主となるが,ステンレス角ワイヤほどの歯・歯列の保持力はもっていない.■ また,Ni-Tiワイヤのactive functionは前歯部において唇舌的に歯の位置を変えたり,垂直的レべリングによる開咬の改善,捻転の改善,歯軸の回転等の能力は優れているが,歯根面積の大きな大臼歯部の頬舌的位置を改善する能力は劣る.■ Ni-Tiワイヤのpassive functionは角線で期待できる..016"×.016",.018"×.018",.020"×.020"と太くなるにつれて大きくなるが,歯根面積の大きな大臼歯部の頬舌的位置の保持能力は期待できない. そのため歯根面積の大きな大臼歯部に対しては,Ni-Tiワイヤはactive function,passive functionともに不十分なため,歯列弓の形態(狭めたり,拡大したり)を改善する場合はステンレス角ワイヤになってから行うべきである.図Ⅱ‐9a 治療前の上顎歯列弓.図Ⅱ‐9b 動的治療開始時(10歳10か月)..016"Spee湾曲Ni-Tiワイヤ装着.図Ⅱ‐9c .016" Spee湾曲Ni-Tiワイヤ装着1か月後(もう前歯部は改善されている).図Ⅱ‐9d 2か月後.016"×.016"のSpee湾曲Ni-Tiワイヤにグレードアップ.[Ni-Tiワイヤのactive function(上顎の場合)]

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