これならわかるビスフォスフォネート
1/8

4ビスフォスフォネートが話題になっているのはなぜ「骨を守る薬」が逆にあごの骨の壊死 2008年1月4日付の読売新聞に引き続いて,2009年6月30日の毎日新聞全国版に〈「骨を守る薬」が逆にあごの骨の壊死〉という見出しの記事が報道され,ビスフォスフォネート(BPs)系薬剤による顎骨壊死が歯科医師や医師,薬剤師など医療従事者のみならず,国民の知るところとなりました(図1). このBPs系薬剤は悪性腫瘍の骨転移の第一選択薬として注射で用いられていますが,もっとも問題とされるのは日本で1,100万人にいるといわれている骨粗鬆症です.とくに年齢とともに有病率は高くなり,80歳代では女性のほぼ半数,男性では2~3割がこの骨粗鬆症に罹患していると推定されています. 年々増加傾向にある骨粗鬆症です.それに伴って大腿骨頸部骨折も増加し,推定発生数は約12万人の方が力学的に骨強度の低下による骨折が生じ寝たきりになったり,入院しても退院できずそのまま死亡したり,残った方でも認知症になるほど超高齢社会を迎え大きな社会問題となっています. そのなかで第二・第三世代のBPs系薬剤であるアレンドロネート(フォサマック®,ボナロン®),リセドロネート(アクトネル®,ベネット®)は骨折予防効果を示すエビデンスが確認されています.そのような背景を考え,BPs系薬剤を上手に使用していくことが重要で,それには歯科医が正しい口腔ケアの習慣を身につかせ,定期的な検診と適切な治療を行うことが求められています.図1 「骨を守る薬」が逆にあごの骨の壊死(2009年6月30日付け毎日新聞).

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です