これならわかるビスフォスフォネート
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35CHAPTERビスフォスフォネート系薬剤199BRONJの発症に関与する可能性のある危険因子は何ですか?nswer危険因子をあげてみましょう. BRONJを発症している病変部では,口腔内細菌の増殖がみられることから,口腔内細菌が関与していることが推測されます.またBRONJの病理像でもほとんどの症例で腐骨がみられ,周辺に放線菌様の菌塊がみられることから,口腔内感染を最小限にとどめることが重要で,口腔衛生状態を良好に保つ必要があります. したがってビスフォスフォネート(BPs)系薬剤を投与されている場合は,定期的に歯肉の状態をチェックし,口腔清掃指導,歯石除去が必要です.またBPs系薬剤による危険因子を掌握しておかなければなりません.その危険因子には,局所的には骨に触れるような観血処置には十分な注意が必要で,抜歯などを契機にBRONJを発症していることは周知のとおりです.また全身的には米国口腔顎顔面外科学会のポジションペーパーにあるように,ステロイド剤や抗癌剤の投与や糖尿病がハイリスクとされています.局所的因子①抜歯(図9‐1)②インプラント埋入手術(図9‐2)③歯根端切除術④口蓋および舌側骨隆起の切除術(図9‐3)⑤歯周外科手術 そのほか骨縁下ポケット,SRPなどすべての観血処置に注意する必要があります全身的因子①ステロイド剤の投与②抗癌剤の投与③ホルモン療法④糖尿病⑤喫煙⑥飲酒⑦高齢者(65歳以上)BPs製剤に関連する因子①長期投与(とくに3年以上)②経口薬より注射薬の方が発生しやすい③ 第3世代の注射薬で経口薬では,リセドロン酸ナトリウム水和物,ゾレドロン酸二ナトリウムなどがある. その他リスク因子として,BPs系薬剤に関連する因子として,その種類,投与期
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