これならわかるビスフォスフォネート
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69杭血栓薬2CHAPTER 抗血栓薬服用患者の口腔粘膜は,抗血栓薬を服用していない患者の粘膜と違います.抗血栓療法患者の口腔粘膜を診察すると,点状出血斑や血腫ができていることがあります(図2‐1~4).ワルファリン療法の患者では,治療域を逸脱し歯周炎があると歯肉出血を起こすので注意が必要です(図2‐5,6).図2‐3 ワルファリン服用患者の下唇の出血斑. 患者はワルファリンを1.8mg服用し,INRが2.26.内科入院時,下唇から出血を認めガーゼ圧迫にて止血したが,歯科受診時に多数の小出血斑がみられた.図2‐4 ワルファリン服用患者の歯肉の血腫. 歯肉より出血を認め,来科時には部に血腫を認めた.ワルファリン服用患者の広範囲な内出血斑図2‐5,6 87歳,男性.脳梗塞のために,ワルファリン2.5mg/日,バイアスピリン100mg/日を服用していた.左側上顎臼歯部の歯肉の腫脹と疼痛を自覚し,近歯科を受診した.歯肉出血を認めたため,紹介により来院. 上顎正中~頬粘膜まで広範囲の内出血斑を認め,歯頸部より軽度の出血がみられ,は動揺し打診痛があった.採血の結果,INR値が3.74と高値で,血小板数が74,000/μLと低値であったため,内科主治医に対診した.に歯周炎があり,ワルファリンが効き過ぎていたために出血をきたしたものと思われた.止血床を作製し装着し止血し,内科にINR値を治療域に戻してもらうことにより内出血斑も消失した.

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