別冊YB2011 日常臨床で必ず使えるコンポジットレジン修復の一手
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198Part2 臨床家・大学人18人の“私の臨床でのコンポジットレジン修復ダイジェスト” コンポジットレジン(CR)は,Minimal Interven-tionを支える重要な修復材であり,う窩を封鎖するだけでなく,これを用いて失われた機能とともに審美性を回復することを可能とした.その背景には,接着技術の進歩があり,これによってCR修復の応用範囲が拡大したことについては論を俟たないであろう.これまで,メタルインレーなどの間接法修復に頼らざるをえなかった症例も,確実な歯質接着とともに優れた機械的性質と審美性を発揮するコンポジットレジンによって,満足度の高い歯冠修復を行うことが可能となった(図1~3).CR修復システムにおける技術革新は,これからの歯科治療の方向性を明示することにも繋がっている. もちろん,CR修復も,臨床要求のすべてをかなえる修復技法ではない.また,守られるべき臨床術式とともに,修復材の適切な取り扱いに対する配慮も欠かすことはできない.とくに,被着面に対する前処理法などは,修復処置の予後を確実にするためにも重要である.適切であるとともに,明確なevi-denceに支えられた術式を基本とすることが第一であり,これなくして修復の良好な予後は望めないであろう. 光重合型レジンにおけるマテリアルテクノロジーは,フィラー,マトリックスレジンおよび重合開始材系などの細部にわたり発展してきた.既存の技術に留まることなく,臨床使用における要求項目を満たすように改良が進められ,今日ではその恩恵を被っている.また,CRが有している最高のパフォーマンスを引き出すためには,これを取り扱う術者の技量の向上もまた,忘れることができないものである.技術が生きるコンポジットレジン修復Technique for Resin Composite Restoration宮崎真至 Masashi Miyazaki日本大学歯学部保存学教室修復学講座連絡先:〒101‐8310 東京都千代田区神田駿河台1‐8‐131.私が考えるコンポジットレジン修復17

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