少ない色でスピーディに仕上げるためのコンポジットレジン充填テクニック
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図2-4 充填した部分が白く浮き上り境界部(フィニッシングライン)のギャップが大きい状態。26CHAPTER 2 Our Recipe for Color Matching1 Ⅰ級窩洞では透明度の高いエナメルデンティンとトランスエナメル、または乳白色のエナメルとしてブリーチシェードを用いて下地を引き出し、なじませる方法を選択する。 この際、もっとも高い透明度のエナメルデンティン:ビーナス HKA5、ブリーチシェード:ビーナスSBOを選択する。 反対に透明度の低い不透明なオペークデンティンなどを用いた場合には、充填した部分が浮き上がって見える傾向にある(図2-4)。Ⅰ級窩洞 12歯質とコンポジットレジンとのコントラクション(収縮)ギャップを防ぐためにコンポジットレジン充填の全処置として、フロアブルを用いて、窩洞全体に一層(0.2~0.3mm程度)イラスト表示①に示すように塗布し、光重合を行う。以後、この前処置をファウンデーションレイヤーと記す。この際のフロアブルのシェードは、どのシェードを用いても厚さが0.3mm以下でほとんど透明に近いため、特に指定しない。34咬頭の内斜面にイラスト表示②に示すように窩底と窩壁の境界部を目安とし、エナメルデンティンHKA5を積層する。その際、フィニッシングラインの移行部は、エナメル色を積層するスペース確保のために湾曲した凹状にインスツルメントで形態を整える。5透明度の高いエナメルデンティンHKA5を積層した状態。6乳白色なブリーチシェードSBOを用いてイラスト表示③に示すように最終的な形態を回復し仕上げ、最終重合を行う。※ エナメル色の積層量は通常0.5mmを超えることはないため、トランスエナメルT2の0.5mmの厚さでは、ほとんど透明に近いためエナメル色の乳白色を再現するためにブリーチシェードSBOを選択した。【右頁 解説】①FA3.5②HKA5③SBO使用コンポジットレジン(ビーナス、ビーナスフロー):イラスト内番号 ①フロアブルA3.5、②エナメルデンティンHKA5、③ブリーチシェードSBOT20.5mmSBO0.5mmHKA51.0mmFA3.51.0mm
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