歯科医院作りのノウハウ28
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2はじめに 「歯科医師の未来は暗い」「歯科は構造不況業種だ」と言われるようになって久しくなりました。しかしその一方で、歯科疾患実態調査からは年齢とともに充填補綴歯数が増加し、喪失歯数もいまだに増加しています。治療の繰り返しの結果、多くの歯を失って不自由な状況に陥っていくさまが、目に浮かびます。もちろんインプラント治療が普及することで、高額な治療費さえ出せれば機能回復は可能となりました。しかしそれは本当に国民が望むことなのでしょうか? スエーデンのアクセルソン博士による報告によると、三〇年に渡るメインテナンス治療の結果、九八%の歯は保存できたとされています。自分が治療を受ける国民の側にいるとしたら、あなたはどちらを望みますか? 疑問の余地なく、きっと後者でしょう。しかし残念ながら、日本の多くの歯科医院では、きちんとしたメインテナンス治療を提供し、長期間国民の歯を守っていくことができる状況になっていないようです。これは、国民に対する冒涜どころか犯罪に等しいと言っても過言ではないでしょう。一刻も早く、自分の診療所がきちんとしたメインテナンス治療を提供できるように医院改革を実行し、多くの診療所で多くの国民の歯を守り育てていけるようになることが、歯科医師としての責務であると筆者は考えています。はじめに
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