THE BICON SHORT IMPLANT
1/6
10第2章バイコンシステムの概要abbcaabbca科学的に立証された設計 1892年、ドイツの外科医であるJulius Wol 6は、外的な圧力に対する骨の反応として、骨外部の形態変化および骨内部の海面骨の構造変化を論文で発表した(図2-1と2-2)。骨の形成と吸収の法則(Wol’s Law)とその後のFrost 7の研究によって、臨床的にもバイコンインプラントのデザインの成功は証明されている。 バイコンインプラントの今日のデザインは、30年以上の基礎的、臨床的研究による生物学的、歯科理工学的な観点に基づくものである。歯科用インプラントの開発において、咬合圧をいかに顎骨へ効果的に分散・伝達させるかは常に重要な課題であり、連結されていない単独インプラントではとくに焦点となる。そこで、バイコンのPRF設計によって、短く細いインプラントでも骨に咬合力を理想的に分散・伝達することが可能となった。四肢麻痺の患者でさえも、長年機能している事実がある(図2-3)。バイコンインプラントのデザインは、患者、歯科医師、その他すべての臨床的な観点から考察されている。デザインの主な特長 バイコンインプラントでは、他のインプラントシステムでは成し得なかった補綴操作が可能となる(図2-4)。バイコンインプラントシステムは開発当初より以下に示す特長を有する。◦プラトー・テーパー形状◦スローピングショルダー◦バクテリアルシール図2-1 バイコンインプラントの周囲骨におけるモデリングとリモデリングの例。(a)術前のエックス線写真。(b)術後のエックス線写真。(c)4年経過後のエックス線写真。図2-2 バイコンインプラント周囲の新生骨、再生骨の組織切片。(a)埋入後14年経過。(b)23年経過。図2-3 25年前に埋入した四肢麻痺の患者。バイコンインプラントを歯としてだけでなく手の代わりとしても用いている。咬合圧を周囲の骨や組織に効率的に分散・伝達させており、バイコンインプラントの強靭性がわかる。(a)25年経過のエックス線写真。(b)25年経過の口腔内写真。(写真提供: Don Rothenberg)図2-4 (a)バイコン独自のデザインとして、①補綴の柔軟性、②口腔外でのセメント合着およびIAC (Integrated Abutment Crown)、③プラットフォームスイッチング、④スローピングショルダー、⑤ロッキングテーパーのインプラント-アバットメント接合部(IAI)、⑥プラトー・テーパー形状、⑦短く、幅が狭い形状、⑧低速回転ドリリングの使用がある。(b, c)インプラント周囲に発生する水平方向の咬合圧の分散。(b)シリンダータイプの長いインプラントに水平方向の咬合圧がかかった場合、緑色の矢印方向にのみ圧がかかる。水色の線で示されている部分には咬合圧負担はほぼない。(c)バイコンインプラントに水平方向の咬合圧がかかった場合は、咬合圧はプラトー間で分散吸収される。緑色の矢印は力の分散方向を示す。
元のページ
../index.html#1