THE BICON SHORT IMPLANT
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11abc◦360度のアバットメントポジショニング◦半球形のアバットメント基底部◦低速回転のドリリング◦ショートインプラント◦ナローインプラント◦インプラント周囲の骨増加 では、上記の特長について詳しく見ていこう。プラトー・テーパー形状 インプラントは健康な天然歯と違いアンキロース(骨性癒着)しており、これを常に念頭に入れておかなければならない。通常の咬合圧は補綴物を介してインプラントに伝達されるが、バイコンインプラントはプラトーとフィンによる構造で咬合圧を分散させる。プラトーは日常の咀嚼による咬合圧を分散させ、周囲の骨に伝達させる(ブラキシズムのような非日常的な咬合圧にも有効)。周囲の骨はこの適度な咬合圧の刺激を受け、主血管網と皮質骨の形成が促進される。 スレッドタイプ(ネジタイプ)のインプラントに比べて、プラトーデザインのバイコンインプラントは、約1.3倍の表面積を有する。さらに、プラトー間には皮質骨様のハバース層板が急速に高形成される(20〜50μm/日)(図2-2)。インプラントを強固に固定する皮質骨様のハバース層板は、スレッドタイプのインプラント周囲に見られる、形成が遅い骨(1〜3μm/日)とはまったく異なる。 プラトーデザインの効果は、ハバース層板の獲得だけではない。プラトー間に存在する骨によって、咬合から生じる圧縮力が吸収・分散されるのだ。スレッドタイプやシリンダータイプのインプラントでは、咬合圧がこのように吸収・分散されることはない。スローピングショルダー バイコンインプラントのショルダー部分はなで肩状になっており、ここで骨の形成スペースが確保される。歯間乳頭が形成され、審美性に優れた歯肉の獲得が可能となる。隣接インプラント(または天然歯)との位置が近接していても、理想的な歯間乳頭の形成が可能となる(図2-6) 13。審美的な歯間乳頭の形成・確保には、これを支持する骨と、その骨が存在するためのスペースが必要となる。つまり、スローピングショルダーにより、歯間乳頭をサポートする骨が形成されるのだ(図2-7)。遡ること1968年、「プラットフォームスイッチング」という言葉が使われはじめる以前、Driskellがデザインしたこのスローピングショルダーには、すでにプラットフォームスイッチングの概念が導入されていた。実際、バイコンのインプラントには二重のプラットフォームスイッチングが施されている。1つ目は、幅の広いインプラント体と細いアバットメントシャフト(ネック部分)が接する部分。2つ目は、アバットメントシャデザインの主な特長図2-5 (a)スレッドタイプのインプラントは、その形状やシステムから、埋入時に生じる骨壁への圧力が壊死を引き起こす。バイコンインプラントは、その形状から、プラトー周囲に埋入即時から皮質骨様のハバース層板の形成がはじまる。(b)初期の骨壊死後、スレッドタイプのインプラントの周囲では、血液循環のほとんどない、成熟の遅いappositional bone(付加成長骨)の形成がはじまる。一方バイコンインプラントでは、埋入直後からプラトー形状の周囲に、血液循環が豊富な、成熟の早いハバース層板の形成がはじまる。(c)スレッドタイプのインプラント周囲にできる骨と、バイコンのプラトー周囲に組成されるハバース層板には、組織に大きな違いがある。この違いがバイコンショートインプラントの特性に大きく貢献している。スレッドタイプバイコンスレッドタイプバイコンスレッドタイプバイコン
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