THE BICON SHORT IMPLANT
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78第7章ショートインプラントの予後adgjehfilkcb症例3:上顎中切歯 患者は51歳女性で、他院からの紹介である。保存不可能な上顎中切歯をインプラントへ置換することとした。術前診査により、根管治療の不備と審美障害がわかり、予後不良と診断された。(図7-3aと7-3b)。慎重に抜歯を行い、すべての肉芽組織を抜歯窩から掻爬したあとにSynthoGraftを填入し、骨の高径ならびに幅径の維持に努めた。口蓋から採取した遊離歯肉を、抜歯窩へ移植縫合することで閉鎖を図った(図7-3c)。治癒期間中には、審美的な状況を改善するために部分床義歯を提供した(図7-3d)。3ヵ月が経過し抜歯窩が十分に治癒したあと、5.0×8.0 mmのIntegra-CPインプラントを2本埋入した(図7-3eと7-3i)。 さらに4ヵ月の治癒期間を経て、ポリセラミックコンポジットレジンのカスタムシェードタブを使用し、修復物の色調と陰影を決定した(図7-3j)。上部構造のIACについて、適切なカントゥアと歯冠長が再建されているか否かを試適時にエックス線撮影によって確認した(図7-3k〜7-3o)。術後5年経過時の来院において、歯周組織は健康的で、歯槽骨のレベルも施術時から変化を認めなかった。さらに、右側上顎中切歯近心部図7-3 (a, b)術前の口腔内写真とエックス線写真。(c, d)抜歯後にソケットプリザベーションを行い、レジン製のプロビジョナルクラウンを装着。(e)2週間後の抜歯窩。(f)3ヵ月後の抜歯窩。(g)3ヵ月後のエックス線写真。抜歯窩の治癒を示す。(h)埋入部の整形を目的とした歯肉切開と形成。(i)歯肉の安定化のために1週間待機しインプラントを埋入。(j)セラマージュ(松風)を用いてより確定的なプロビジョナルクラウンを作製。(k)IACの試適。(l)完成に向けての最終的なセラマージュによる築盛。
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