歯内療法を再考する
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・唾液による根管内の汚染防止・患歯の明示・周囲軟組織の保護・ファイルなどの誤嚥・誤飲防止・患歯の乾燥保持・薬剤の漏洩防止Part 1 歯内療法を成功に導くための最新トピックス患歯に適合するクランプの選択ラバーダムシートとクランプの隙間をなくすことラバーダムシートをフレームに適切にセットすることれていないと,隙間から破折片が入り込んでしまったり,もちろんラバーダム防湿していなければ,誤嚥の危険性もある.そのため図5右に示したように,クランプとの隙間が解消されない場合には,隙間をシーリングする材料を使用すると良い. 3)ラバーダムシートをフレームに適切にセットすること.ラバーダムシートをフレームにただひっかけて使用している術者を多く見かける.多くの専門誌でも見かけることがあるが,タービンなどで注水したものをバキュームで確実に吸水できるわけではないので,図6に示したようにしっかりとラバーダムシートをセットする必要がある.図6左に示したような状態だと,患者の体や着衣に水や薬液がこぼれて事故につながる可能性があるので,気をつけなければならない.33図1 ラバーダム防湿の目的(文献1より引用).図3 前歯用クランプ(左),小臼歯用クランプ(右).図5 ラバーダム防湿が適切に行われているなかでの,根管内破折器具除去(左).ラバーダムシートとクランプの間隙をシーリング材で封鎖(右).※2003年,吉川ら2の論文では,ラバーダムを必ず使用すると回答した日本歯内療法学会会員は25.4%であったと報告している.図2 ラバーダム防湿を適切に行うために必要なこと.図4 大臼歯用クランプ.図6 ラバーダムシートが不適切にフレームにセットされた状態(左).ラバーダムシートが適切にフレームにセットされた状態(右). 3 解剖学的形態 根管治療に際し,患歯の解剖学的形態,根管形態を熟知していない場合に生じる問題が多々ある.歯根数,根ラバーダム防湿を適切に行うために

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