QDI 2015年3月
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インプラントのためのインパクトの高い論文評価Learn The Basics of Implant インプラントのためのインパクトの高い論文評価1.国内外におけるBio-Ossの評価1)海外における評価 Geistlich Pharma社(本社:スイス ウォルフーゼン)の提供するウシ由来の異種移植材料。1986年スイス本国を皮切りに欧州各国において順次販売が開始された後、1994年より、北米においてもOsteohealth社により販売が開始され(2012年よりGeistlich Pharma North Americaへ販売権が移行)、現在まで多くの国で臨床応用されている。 欧米ではおもに上顎洞底挙上術、ソケットプリザベーション、抜歯後即時埋入時の骨移植術、歯槽堤増大術および歯周領域における骨内欠損の改善を目的として使用されており、700編を超える関連論文(2012年時点)によってその有効性の検証がなされる大変注目度の高い移植材料である。2)国内における評価 日本国内では、2011年12月、歯周領域における骨移植材として厚生労働省より高度管理医療機器の認可を受け、2012年より発売が開始され現在臨床使用可能となっている(輸入元:白水貿易、販売:デンタリード)。歯周領域においては、ランダム化比較試験(RCT)を対象としたネットワークメタアナリシスの結果より、骨内欠損に対してエナメルマトリックスデリバティブにBio-Ossを併用すると、有意なクリニカルアタッチメントを獲得できることが示されるなど、その有効性はある程度実証されている1)。一方インプラント領域では、その有効性を示唆する報告は多々認められるものの、明確なコンセンサスは得られていない。 そこで今回CISJサイエンス委員会では、インプラント領域におけるインパクトの高いBio-Oss関連論文をピックアップし、エビデンスの現状について整理したい。 インプラントに関連する重要キーワードについて、インパクトの高い論文を全12回にわたってテーマごとに検証する。第1回のテーマはBone graftである。同テーマにおいて被引用件数の多い論文中、もっとも出現頻度の高いキーワードがBio-Ossであることから、今回は“Bio-Oss”をキーワードとして選定した。Bio-Ossは、ウシ由来の骨代替材料である。製造過程であらゆる無機成分が除去され、多孔性の三次元構造をとる。骨タイプ(皮質/海綿)や形態(ブロック/顆粒)にバリエーションを有し、さまざまな骨欠損形態に応用可能である。なお、EMEA(欧州医薬局庁)およびFDA(米国食品医薬品局)によると、ウシ骨は感染リスクのない部位とされている。一般社団法人 日本インプラント臨床研究会(Clinical Implant Society of Japan)サイエンス委員会(岩野義弘、武田朋子、佐藤博俊、田中譲治、井汲憲治、水口稔之、若井広明、笹谷和伸、芦澤 仁)塩田 真(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科インプラント・口腔再生医学准教授)Bone graftのための重要キーワードベスト論文第1回Bio-0ss検索キーワード155─Vol.22,No.2,2015311

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