わが国が超高齢社会へと突入して久しいが、いまや高齢化率は30%に達する勢いで、医療・福祉分野への影響が著しい。インプラント治療もまた例外ではなく、インプラントが20年、30年とこれまで以上に長く機能することが求められている。一方、患者が高齢になればなるほど有病率は上がり、全身疾患やポリファーマシー(多剤併用)などがインプラントの予後に影響を及ぼす可能性は否定できない。また、健康な患者においてもインプラント体の破折などを原因として撤去に至ることもあるだろう。つまり、インプラント治療に携わる歯科医師は「インプラントの撤去」と無関係ではいられなくなってきている。長期症例の増加にともないインプラント撤去を回避できない症例に遭遇する可能性も高まり、撤去の適応/非適応の見極め、撤去に関する技術の習得は必須と考えられる。 しかし、大学のインプラントに関する講義や実習、インプラント導入に関する多くの講習会において、インプラント埋入については十分な時間が割り当てられているものの、インプラント撤去については事例の報告のみしか行われていないのが現状である。 そこで本特集では、インプラント撤去の適応/非適応の見極めから、撤去時の注意点や器具の使い方、さらに撤去後の再埋入に至るまで「インプラント撤去」に関する情報を整理し、臨床に役立つ情報を提供したい。歯科口腔外科・インプラントセンター0863 ─Vol.28, No.6, 202139Movieスマホで動画を見よう(p.7参照)特集2はじめに―適応症例の見極めから再埋入を考慮した撤去法まで―佐々木匡理 (Masanori Sasaki)福岡県:公立学校共済組合 九州中央病院 インプラント撤去マニュアル
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