Quintessence DENTAL Implantology 2021年No.6
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第6回(最終回)スピーディーで確実な縫合Basicテンションフリーの縫合とテンションが加わる縫合 一般に、縫合は“テンションフリー”にて行うべきと言われる。それは、フラップの断端に強いテンションが加わると貧血となり、フラップ断端の粘膜壊死を引き起こす可能性が高まるからである。フラップ断端が粘膜壊死に陥ると、縫合糸がフラップから外れ、結果として創面裂開を引き起こしてしまう。 このような貧血による粘膜壊死は、血流の少ないフラップの断端2mm以内に針を刺入しテンションを加えた場合に起こると考えられる。マットレス縫合や連続縫合などのテンションが加わる縫合においては、フラップの断端の刺入点を2mmより幅広く設ければ(3mm以上が理想的)、テンションが加わっても貧血のリスクを軽減することができる1)。つまり、フラップを引き寄せる、あるいは元あった位置から移動させる、緊密に閉創させることなどを意図してテンションを加える際には、フラップの断端3mm以上を目安に針を刺入すればよい。 たとえば、マットレス縫合や連続縫合などのテンションがBasic 第5回は「インプラント埋入②前歯部」をテーマに、前歯部1歯欠損に特化してその難しさと考慮点について述べた。特に、口蓋骨の吸収程度を基準に難易度が変化すること、口蓋骨の垂直的な吸収が大きい場合には自家骨の補填が必須であること、硬組織への外科処置と軟組織への外科処置とは分けて取り組むことなどについて詳説した。 最終回である今回は、筆者が日常的に使用している縫合法について紹介する。基本の単純縫合はもちろん、筆者がよりスピーディーで確実な縫合を求めて独自に考案した「スニーカー法」や、マットレス縫合+スリング法のコンビネーションも参考として提示する。ト埋入本数が多い多数歯欠損になるほど局所麻酔薬の奏効時間を超えるような長い時間が必要になってしまう。 そこで、スピーディーで確実な創面閉鎖を可能とする縫合とはどのようなものなのか、さまざまな縫合法を試し模索してきた。そのなかから筆者は独自の視点で選んだおよそ6種類の縫合法を臨床活用している(後述)。0923 ─Vol.28, No.6, 202199Movie見よう(p.7参照)はじめにそもそも縫合とは……高橋恭久 Yukihisa Takahashi東京都開業:医療法人慈世会 高橋スマイル歯科一ノ塾 塾長できるだけ時間をかけない ほとんどのインプラント外科処置において縫合はつきものである。外科処置の最終段階である縫合は、創面の閉鎖を促す非常に重要な処置であるが、一方であまり長い時間をかけることはできれば避けたい。筆者がインプラント外科手術を手がけ始めた駆け出しの頃は、手術時間の半分の時間を縫合に費やしてしまっていたものだ。しかし縫合にあまり多くの時間をかけてしまうと手術時間全体が長くなり、インプランDr. 高橋恭久の インプラント外科道場スマホで動画を

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