Quintessence DENTAL Implantology 2022年No2
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第2回GBR概論AdvanceAdvance GBR(骨再生誘導法)は、数ある骨増生テクニックのなかでもっとも頻度の高い処置であろう1)。バリア膜によって軟組織を排除し、スペースを維持することによって血餅が骨に置換することを期待する処置であり2)、この原理は骨の枠組み内だけでなく、外側性の骨再生においても発揮される3)。自家骨移植と併用するほうがより多くの骨再生を得られるが、現在では骨補填材を併用しても同等の再生を得られることが示されている4)。これによって、自家骨のブロック移植に比べて低侵襲で多様な骨欠損に対応できる。近年のシステマティックレビューでは垂直的にも水平的にも平均およそ3〜4mmの骨増生が可能であることが示されている5、6)。 前回でも一部紹介したように、GBRによる歯槽堤の増大によって適応症の拡大、審美性の獲得が可能になる。しかしそのためには、現存する歯槽堤の外側に骨再生を図らなければならない場合が多い。外側性に歯槽堤を増大するためにはバリア膜によって形成された外形を完全に被覆し、一次治癒を達成させるフラップマネジメント、骨が成熟するまで軟組織の圧力に耐えスペースを維持し続ける能力、母床骨から遠く離れた膜直下の部位まで骨再生が到達するヒーリングポテンシャルが求められる。第2回となる本稿ではスペースの維持、治癒のポテンシャルについて検討を加えたい。生体適合性(Biocompatibility) これまでに、コラーゲン膜は非吸収性膜に比べ、周囲の硬・軟組織に為害作用がなく術後の軟組織の裂開のリスクも低いこと10)、特にネイティブコラーゲン膜は生体本来がもっているコラーゲン構造が保存されているため高い親和性がある。また、化学的にクロスリンクされたコラーゲン膜は比較的高い確率で露出することが示されている11)。110Quintessence DENTAL Implantology─ 0282はじめにスペースの維持インプラント治療のための硬・軟組織マネジメント 石川知弘 Tomohiro Ishikawa静岡県開業:石川歯科吸収性コラーゲン膜 コラーゲン膜は除去手術を不要とし、生体親和性を高めてより安全にGBRを行う目的で開発され、1990年代初頭から臨床応用されている7)。近年GBRに関連する研究者の関心は非吸収性膜よりもコラーゲン膜のほうが高く、発表される論文数も圧倒的に多い8)。現段階では、粒子状の自家骨および骨補填材のコンポジットグラフトとコラーゲン膜の併用がもっとも汎用性の高い術式であることに異存はないであろうし、筆者の臨床においても同様である9)。現在、数多くのコラーゲン膜が入手できるようになっているが、すべてを自身の臨床で比較検討できるわけではないので、インプラントシステム同様に、科学的・非科学的な要因と術者の好みで選択されているのが現状であろう。吸収性コラーゲン膜に求められる性質と照らし合わせて、筆者の考えを紹介したい。

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