Quintessence DENTAL Implantology 2022年No.5
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第5回下顎臼歯部におけるインプラント周囲硬・軟組織マネジメント テクニック編石川知弘 Tomohiro Ishikawa静岡県開業:石川歯科AdvanceAdvance 前回は下顎臼歯部の硬・軟組織マネジメントについて、症例を通して検討した。今回は下顎臼歯部における垂直的なGBRおよび軟組織マネジメントに関するテクニックについて、第4回で示した「下顎臼歯部に垂直的骨造成を行った症例(図9)」を用いて解説したい。図1-a 術前の右側下顎側方面観。大臼歯部では10mm近い垂直的な増大が必要になる。図1-b 同舌側面観。角化歯肉は狭小で、口腔底までの距離はわずかである。ト治療を希望し来院。当院来院前に、2ヵ所の医療施設で骨量不足のためインプラント治療は不可能と診断されていた。大臼歯部では下顎管までの距離は2mm以下で、インプラントは完全に再生された骨によって支持されなければならないことがわかる(図1)。図1-c CBCTによる検査ではショートインプラントの埋入も不可能で、インプラントは将来完全に再生された組織のみで支持されることがわかる。124Quintessence DENTAL Implantology─ 0812インプラント治療のための硬・軟組織マネジメント 術前の状態はじめに下顎臼歯部における垂直的GBRテクニック症例概要 患者は49歳の男性。数年前に全顎的なインプラント治療を受けたが、右側下顎インプラントが喪失し、再度インプランフラップデザイン 遠心縦切開は外斜線から45°程度傾斜させて歯槽頂角化組織に向けて、近遠心的には増大の範囲によるが、下顎枝から自家骨を採取する場合、第三大臼歯相当部、臼後三角を一部

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