インプラントを用いたインプラントを用いたフルマウスフルマウスリコンストラクションリコンストラクションにおける検査・診断における検査・診断 ―IOSとデジタル診断デザインの活用―12Quintessence DENTAL Implantology─ 0884■インプラント治療の適切なゴール設定 インプラント治療は臼歯部欠損症例で用いることが多い。この部位がすでに欠損していてインプラントを必要としているという状況からは、そこに至るまでにかなりの時間、対合関係が失われていたことが考えられる。臼歯部を喪失すると、全体的な咬合高径が低下し、患者が本来持っている咬合高径に問題が起きている可能性もある。すなわち、咬合再構成が必要な症例である。したがって、欠損の原因や現状を考慮せずに欠損部にインプラントを埋入すると、対合関係が不安定なまま治療が終わってしまいかねない。 それを避けるためには、必要な資料を揃え、患者の骨格のバランスや歯列の安定、支持組織の健康など、機能と審美を一体のものとして考えたうえで検査・診断を行い、適切なゴール設定を行って治療を進めていくことが不可欠である。■咬合再構成症例を手掛けるための診断力 咬合再構成を行ううえで最初に重要なことは「診断力」である。診断力を養うためには、正常像とはどのような状態であはじめに特集1髙橋 由 Yu Takahashi東京都開業:セントラル歯科医院K-project上原芳樹 Yoshiki Uehara有限会社ファイン 歯科技工士大阪SJCDテクニシャンコース インストラクター
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