0885 ─Vol.29, No.6, 202213るかを理解し、それと比較しながら、患者の「病的な原因がどこにあるのか」「それを解決するためには何をすればいいのか」「治療を安定した状態に保つためには何をすればいいのか」を、日常臨床において多数歯の治療だけでなく「1歯だけを治療する」場合においても考える。そして、その診断をもとに基本に忠実にステップを踏んでいくことが大切である。 今後、デジタル機器の急速な普及により歯科医療もデジタルトランスフォーメーション(DX)が進められていくだろうが、資料を採取し、検査・診断から問題点を見つけ出し、考え、患者に合ったゴール設定を行うという歯科医療の本質部分は普遍的なものである。そのなかで可能な部分をデジタルに置き換えれば、患者の負担を軽減し、より正確に安全で早く楽に治療を進めることができる。これこそがデジタルの活かし方であろう。 そして、歯科医療の本質を習得するには、多くの経験を積んだ先生から知識や技術を直接学び、継承していくことが大切であると筆者らは考える。本特集では、インプラントを用いた咬合再構成治療においてまず重要な「検査・診断」に焦点を絞り、読者の方々と共有したい。
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