Quintessence DENTAL Implantology 2023年No.2
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The International Journal ofOral&Maxillofacial ImplantsFOCUS ONKEY WORDS:骨移植、骨再生、インプラント、オッセオインテグレーション、抜歯窩大特集関連研究The Cortical Shield for Facial Bone Reconstruction of Severely Damaged Socketswith Simultaneous Implant Placement:A Feasibility Clinical TrialInt J Oral Maxillofac Implants 2022;37(6):1232-1243Verdugo F/Laksmana T/D'Addona A/Uribarri A132Quintessence DENTAL Implantology─ 0312必要に応じて、骨欠損の最根尖側にアクセスするために、犬歯あるいは小臼歯の遠心に垂直切開を行った。抜歯窩の郭清後、唇側骨の裂開を評価し、垂直的に8mm以上の裂開を有する患者を対象とした。長さ8〜11.5mmのボーンレベルインプラントを埋入し、骨欠損部を自家骨細粒で充填した。下顎大臼歯遠心頬側部または上顎結節部から薄い皮質骨シールドを採取し、唇側の骨欠損に一致するようにサイズと形状を調整した。皮質骨シールドは、インプラント周囲に360°のボーンハウジングを形成するように機械的に設置するのみで、固定用のスクリューは使用しなかった(図1)。その後、テンションフリーでフラップの閉鎖を行った。埋入後平均14週で二次手術を行い、ヒーリングアバットメントを装着し、唇側骨の再生、インプラントの安定性および追加のGBRの必要性を評価した。二次手術後には、すみやかに補綴修復処置を行った(図2)。 フォローアップ時には、角化組織の有無と、唇側軟組織下にインプラントが透過して確認できるかどうかも評価した。最終フォローアップ時には、改変型ピンクエステティックスコア(PES:0〜10でスコア化)を用いて、インプラント周囲軟組織のパラメータを評価した。抄訳/園山 亘1)、窪木拓男2)1)岡山大学歯学部 臨床講師2)岡山大学学術研究院 医歯薬学域 インプラント再生補綴学分野唇側の骨造成と同時インプラント埋入 歯肉溝切開により全層弁を翻転し、フラップを形成した。緒言 本臨床研究の目的は、唇側に8mmを超える垂直的な骨の裂開を有する部位に対して、骨膜GBRの原則に則った自家皮質骨移植による骨造成を行い、同時に埋入したインプラントの予後を評価することにある。あわせて、隣在歯のアタッチメントロス(以下、AL)とプロビジョナルレストレーション(以下、PR)の有無が、最終フォローアップ時の軟組織の審美性に及ぼす影響を評価する。材料および方法研究対象 本研究は、単独歯欠損を有し、咀嚼機能と審美性を回復するために2019年1月〜2020年1月の間にインプラント治療を行う患者を対象とし、12ヵ月のフォローアップを行った。最終フォローアップは2021年1月に終了した。それぞれの患者を、抜歯後即時埋入と早期埋入プロトコルにランダムに割り付けた。本研究は倫理委員会の承認を得たうえで実施された。重度に損傷を受けた抜歯窩に対する唇側骨造成とインプラント同時埋入を可能にする皮質骨シールドテクニック:予備臨床研究

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