Quintessence DENTAL Implantology 2023年No.3
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The International Journal ofOral&Maxillofacial ImplantsFOCUS ONKEY WORDS:アバットメント、コンピューター支援、コンピューター切削、インプラント、辺縁骨レベル、軟組織Biologic and Mechanical Stability of Screw-Retained Layered Zirconia Crowns Bonded to CAD/CAM Titanium Abutments Using Angulated Screw Access:A Prospective Closed Cohort Study Int J Oral Maxillofac Implants 2023;38(1):37-45Norton MR 本研究では、1種類のインプラントシステム(Astra Tech EV、Dentsply Sirona)を使用し、上部構造には角度補正スクリューとCAD/CAM製アバットメント(Atlantis Custom-Base、Dentsply Sirona)を用いた。臼歯部のインプラントはメーカー指定の埋入プロトコルに従い、1回法の術式とし、前歯部のインプラントについては、埋入と同時にプロビジョナルレストレーションを装着した。また、著明な骨欠損を認める場合や頬側の皮質骨が薄い場合は、人工骨を使用して骨造成を行った。すべてのインプラントは埋入後3ヵ月待機してから最終補綴装置へ移行した。従来法による印象採得後に作業用模型をDenarの半調節性咬合器に装着し、歯科技工所にてスキャンした後にアバットメントのデザインを行った(図1)。すべてのアバットメントはASAスクリュー(図2)を使用し、アクセスホールが最適な位置に設定されていることを確認した後に作製した。すべての補綴装置はトルクドライバーを使用してメーカーの推奨値である25Ncmのトルクで装着した。評価の基準となるX線検査では、インプラントと直角になるよう焦点を調整して撮影を行い(図3)、3ヵ月後に同じトルクドライバーを使用してアバットメントスクリューの緩みの程度を計測した。インプラント上部構造装着後1年と2年に、X線検査とプラスチック製プローブを用い140Quintessence DENTAL Implantology─ 0496抄訳/鈴木翔平、瀬戸宗嗣、上田一彦日本歯科大学新潟生命歯学部歯科補綴学第2講座緒言 インプラントと補綴装置の成功は、インプラント体の機械的な安定性だけでなく、周囲の硬・軟組織の生物学的安定性に依存する。この20年でCAD/CAM製アバットメントが導入され、補綴装置をカスタマイズするための新しい方法が用いられるようになった。角度補正が可能なアバットメントスクリュー(ASAスクリュー)の応用により、スクリューのアクセスホールを中央窩部または舌側/口蓋側に配置して上部構造を直接固定することで、セメントの残留によるインプラント周囲粘膜炎のリスクを排除することが可能となった。しかし、ASAスクリューを使用したスクリュー固定式上部構造に関するデータは限定的である。 本研究の目的は、前向きクローズドコホート研究において、2年のフォローアップ期間における硬・軟組織の生物学的・機械的安定性を評価することである。材料および方法 2016〜2018年にかけて、部分欠損に対して1本以上のインプラント支持上部構造を装着した患者を対象に、前向き研究を行った。CAD/CAM製チタンアバットメントと角度補正スクリューを用いて作製した陶材前装型のオールセラミッククラウンの生物学的および機械的安定性:前向きクローズドコホート研究

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