Quintessence DENTAL Implantology 2023年No.4
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b図1-a、b 2014年、馬見塚デンタルクリニック(中央区)の訪問班で、スタッフの一員として学ぶ機会を得た。(a)施設での口腔ケアの様子、(b)担当した患者さんと。a 当院の院長(小宮山彌太郎先生)が現在の歯科医院を開院したのは、今から33年前の1990年です。その当時治療を開始した60代の患者さんは現在90代になっています。私は1992年に20代で入社したので、患者さんとの関係も50代と90代へ変化しました。 ある時、長い間、定期的にメインテナンスで拝見していた患者さんとそのご家族から、「体調不良で今回の予約をキャンセルさせてください。体調が戻ったらまたご連絡します」と電話がありました。しかし、その患者さんは結局再び来院されることなく亡くなりました。こうした経験が重なり、連絡を待つだけではなく、こちらから伺って口腔ケアを行うことはできないだろうかと考えるようになりました。 2014年、すでに訪問口腔ケアを確立している医院にて、スタッフとして学ぶ機会を得ることができ(図1)、そのうえで院長に相談しながら、当院でも訪問口腔ケア、歯科訪問診療を行うことになりました(図2)。「まず、出てみることから始めましょう」という院長の言葉に背中を押され、2015年頃から他のスタッフの協力のもと訪問口腔超高齢社会の今、インプラントメインテナンスの現場はクリニック内だけに留まりません。本リレーエッセイでは、歯科訪問診療に造詣の深い著者陣にそれぞれの視点からインプラント治療への思いを語っていただき、読者の先生方がインプラント治療の予後をひろく考えるきっかけとなれば幸いです。※歯科訪問診療時の服装について:現在ではアイソレーションガウン、キャップ、マスク、ゴーグルを着用している。ケアが始動しました。 訪問口腔ケアを開始するにあたり、歯科衛生士が伺っても「口腔内を磨くことしかできない」と躊躇する気持ちもありました。しかし、訪問看護師とのミーティングで「私たちは身体のケアやオムツの交換はできますが、お口の中を磨くのはとても難しい」という山口千緒里 Chiori Yamaguchi  東京都:ブローネマルク・オッセオインテグレイション・センター/歯科衛生士・介護福祉士図2 2015年、院長・スタッフの協力のもと当院でも訪問口腔ケア/歯科訪問診療を始動。通院が困難となった患者のもとへ、本人や家族、施設側の許可をとったうえで、訪問口腔ケアを実施。歯科衛生士の視点で口腔内の観察を行い、患者の負担を最小限にするよう考慮して効率的に口腔内清掃を行う。意見をいただきました。この言葉で、口腔内を観察し、患者さんへの負担が最小限になるよう考慮して効率的に口腔内清掃を行うというのは、他の職種には簡単ではないことを知り、歯科衛生士による訪問口腔ケアは有意義であることを自覚しました。インプラントを最後まで見届ける。@歯科訪問診療リレーエッセイ通院できなくなってもメインテナンスを続けたい0635 ─Vol.30, No.4, 202399#4歯科衛生士が感じる訪問診療を含むインプラントメインテナンスからの学び

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