142Quintessence DENTAL Implantology─ 0142FOCUS ON*連絡先:Dr A B Tarun Kumar, Room no. 10, Bapuji Implant Centre, Bapuji Dental College & Hospital, Davangere, 577004, Karnataka, India. Email: tarundental@gmail.comThe International Journal ofOral&Maxillofacial ImplantsAugmentation of Peri-implant Keratinized Mucosa Using a Combination of Free Gingival Graft Strip with Xenogeneic Collagen Matrix or Free Gingival Graft Alone: A Randomized Controlled StudyFarooqui AA/Kumar ABT*/Shah R/Triveni MG要約目的:遊離歯肉移植術(FGG)と異種コラーゲンマトリックス(XCM)を組み合わせた移植と、FGG単独移植とのインプラント周囲角化粘膜(KM)の造成量を比較評価する。材料および方法:上顎および下顎前歯部(小臼歯を含む)にインプラント周囲KMが最小量(≦1mm)である患者計30名を対象とした無作為化比較臨床試験を実施した。無作為化プロトコルを用いて、研究対象者を2群(A群:FGGとXCMの混合[n=15]、B群:FGG単独[n=15])に分類し、角化粘膜移植造成を行った。臨床的パラメータは、ベースライン、1ヵ月、6ヵ月目に測定したKMの幅(WKM)、ベースラインと6ヵ月目に測定した独自のピンクエステティックスコア(PES)、術後1、7、14日目のビジュアルアナログスケール(VAS)による患者の不快症状などであった。結果:1ヵ月後、両群とも統計学的に有意にKMは増加し、6ヵ月後の経過観察までにわずかに減少したが、ベースライン時と比較して統計学的に有意な増加を示した。2群間で獲得造成量を比較したが、統計学的に有意な差は認められなかった。しかし、A群はB群と比べて、統計学的に有意に良好な審美性が得られ、術後不快症状を示すVAS値も低かった。結論:本研究の限られた結果からではあるが、FGGとXCMの混合移植は、インプラント周囲のKMを獲得するためのFGG単独移植に代わる有効な方法であると結論付けることができる。KEY WORDS:デンタルインプラント、遊離歯肉移植術、角化粘膜、インプラント周囲組織の安定、移植術(strip technique)、異種コラーゲンマトリックスIntJOralMaxillofacImplants.2023;38(4):709-16訳/小倉基寛、丸川恵理子東京医科歯科大学 口腔再生再建学分野・口腔インプラント科異種コラーゲンマトリックスとの混合移植によるインプラント周囲角化粘膜造成:無作為化比較試験
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