Quintessence DENTAL Implantology 2024年No.3
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6部にインプラント埋入北海道開業:医療法人熊澤歯科 上浦歯科クリニック インプラントは多くの国民にとって口腔の健康を取り戻す治療法となった。しかし、この革新的な治療法の普及にともない、われわれは残した歯の抜歯などの再介入を最小限に抑え、治療結果を良好に保つという新たな課題に直面している。本来は、インプラント埋入時に保存不可能歯は抜歯し、その後20年程度は再介入しないような“予後良好”といえる治療結果を患者も術者も望んでいるのではないだろうか。 本稿では、う蝕(カリエス)タイプの患者におけるインプラ2009年8月上顎ブリッジの動揺を主訴に来院。₂₁₂₃₆を抜歯2015年5月₄を破折により抜歯2017年4月₅を破折により抜歯2009年10月2234662015年7月₄部にインプラント埋入2017年8月₅部にカンチレバーブリッジを装着ント治療と残した無髄歯の長期経過を供覧し、患者の身体的・経済的負担もふまえ、より良い治療結果を達成するための戦略に焦点を当てる。初診時・治療計画 患者は2009年8月初診時66歳の女性(図1)。上顎ブリッジの動揺を主訴に来院し、固定性の補綴を希望された。弾性レジンを用いたノンリジッドな義歯によって、顎堤の吸収を起2010年3月最終補綴装置を装着2015年11月₅部にインプラントブリッジを装着2023年12月3ヵ月に1度の定期健診継続中症例の概要と経緯84Quintessence DENTAL Implantology─ 0428上浦庸司 Yoji Kamiuraはじめにう蝕タイプの患者に対するインプラント症例長期インプラント症例を再評価するう蝕(カリエス)タイプの患者におけるインプラント治療と残した無髄歯の長期経過

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