Quintessence DENTAL Implantology 2024年No.3
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第3回脳卒中編高血圧狭心症病尿糖Basic1)くも膜下出血 脳表面の動脈にできたこぶ(脳動脈瘤)が破裂して、脳を覆うくも膜と脳(正確には脳の表面に密着した軟膜)の間に出血することをいいます(図1)。流入した血液によって脳が圧迫され、さらに血管破裂によって脳を栄養する血流が減少するため、脳虚血による意識障害が生じます。突然激しい頭痛が生じた場合はまず本症を疑うべきですが、3分の1は死亡するといわれている恐ろしい病気です。動脈瘤ができる原因はBasic106Quintessence DENTAL Implantology─ 0450 今回のテーマは脳卒中ですが、実は“脳卒中”という病気はありません。脳血管にトラブルが生じて、頭痛や麻痺、意識障害などが突然現れた状態のことを“脳卒中”と呼んでいるのです。その原因疾患は、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞の3つで、まとめて「脳血管障害」といいます。 今回もこれまでと同様に、はじめにそれぞれの疾患の原因と特徴、治療法、次にインプラント手術時の注意点についてそれぞれ解説します。頭蓋骨脳梗塞脳血管が閉塞して局所の脳が壊死する血栓脳出血脳内の血管が破裂して局所に出血するくも膜下出血脳動脈瘤が破裂してくも膜と脳の間に出血するくも膜図1 脳血管障害(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞)。砂田勝久 Katsuhisa Sunada日本歯科大学 生命歯学部 歯科麻酔学講座こんな患者が来院したら─有病者のインプラント手術における全身管理─ はじめに脳血管障害の原因と特徴、治療法

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