Quintessence DENTAL Implantology 2024年No.4
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第4回不整脈編高血圧狭心症病尿糖108Quintessence DENTAL Implantology─ 0628 今回は循環器疾患の最後として、不整脈患者が来院したらというテーマでお話しします。不整脈では心電図に異常を認めますが、心電図異常があるからといって不整脈とは限りません。心電図の異常には“波形の異常”と“リズムの異常”の2種類があり、前者の代表は虚血性心疾患の際に見られるST変化であり(狭心症・心筋梗塞編参照)、後者を不整脈とよんでいます。というわけで、リズムの異常、要するに脈の乱れを認める患者さんの注意点はどこにあるのでしょうか。まずはいつものように病態の概要から。図1 心臓の4つの部屋。各部屋が規則正しく収縮・拡張してポンプとしてはたらく。全身から全身へ肺へ肺から 心臓は4つの部屋(図1)を持つポンプですが、ポンプが効率よくはたらくためにはそれぞれの部屋が順番に収縮、拡張を繰り返す必要があります。これらは刺激伝導系(図2)とよばれる特殊な心筋を介して伝わる電気的興奮によってコントロールされています。これまでお話ししてきた高血圧、狭心症・心筋梗塞、脳卒中は、いずれも動脈硬化が発症の原因となっているので、その特徴や治療、対応などの多くの面で共通していましたが、不整脈は刺激伝導系の異常が原因です。図2 心臓の刺激伝導系。電気的興奮は、①洞(房)結節→②心房筋→③房室結節→④脚→⑤プルキンエ線維→⑥心室筋の順番で伝わる。①洞(房)結節1分間につき60〜100回の電気信号を発生③房室結節電気信号を伝達左心房⑤プルキンエ線維電気信号を心室筋の各所に伝達左心室右心房右心室②心房筋⑥心室筋④脚プルキンエ線維が集合したもの。左に2本、右に1本存在する。BasicBasicはじめに不整脈の原因と分類、治療法砂田勝久 Katsuhisa Sunada日本歯科大学 生命歯学部 歯科麻酔学講座こんな患者が来院したら─有病者のインプラント手術における全身管理─

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