QDT1月
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橋本 誠有限会社DELアーチ福岡県福岡市南区桧原7‐37‐1 2014年、CAD/CAM冠が保険収載されたことも要因となり、各メーカーから歯科用CAD/CAMシステム(以下、CAD/CAM)が販売され、乱立している状態であり、今後もCAD/CAMは爆発的に普及すると考えられる。これから導入を検討している、もしくは導入済みの方は何を基準に機器の選択をしているのだろうか? 選択肢が多過ぎて、どのシステムが良いか? どのシステムが自分に合っているか? それを判断するための情報や噂が多く、悩んでいる歯科技工士も多いと感じる。 導入後に「こんなはずじゃなかった……」という不満の声も良く耳にする。まさしく筆者も同じ状態であった(筆者のラボでは10年間で5台のCADを導入したが満足できるシステムはなかった)。筆者が満足できなかった要因は、CAD/CAM機器の仕組みを知らないまま、販売メーカーの言うことを信じて集めた情報等を元に導入に踏み切ってきたからである。実体験からあえて辛口なコメントを書かせていただくと、歯科技工士がCAD/CAM機器の仕組みを知っていないことはもちろん良くないのだが、販売メーカーでさえCAD/CAM機器の仕組みを知らずに販売し、われわれユーザーには良いことしか言わないのも現状である。 もちろんすべてのメーカーではないが、CAD/CAM機器の使用方法のみを知っているメーカーと、仕組みまで知っているメーカーでは、トラブルがあった場合の対応力がまったく違うのである。CAD/CAM機器は高額な投資である。失敗しないように、歯科技工士が知っておくべきCAD/CAM機器の仕組みと、私が思うCAD/CAM機器の選択基準を述べたいと思う。なお、本書を読む方のCAD/CAMに対する知識がバラバラだと思うので、まずは基本的な事項から述べたい。

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