QDT2015年3月
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39フルジルコニアは万能か?39り製作されたクラウン・ブリッジを提供している(B. Napier, chief staff executive, National Association of Dental Laboratories, written communication, Oct 8, 2013)。もちろん、その中での大多数を占めるのがメタルフリーのオールセラミックスである。表1は、2007年と2013年に米国で製作された、およそ100万ユニットのクラウン・ブリッジ材料の比較である。 また、全米最大手のGlidewell Labと大小の歯科技工所を対象にサーベイを行うLMT(Lab Management Today)の数字にはかなりの違いがあるものの、表2を見ても分かるように、ここ数年における米国でのメタルセラミックスからオールセラミックスクラウンへの移行は、米国歯科界においてもっとも急速で顕著な推移であるといってもよい。 米国でこのような急激な推移が起こった理由として、以下のようなことが挙げられる。・患者からの天然歯色のメタルフリークラウンの需要の高まり・近年のオールセラミッククラウンの臨床成功率の高さ・技工費の削減・金合金の価格高騰・ミリングのほうがメタルセラミックスよりも製作が容易・ミリング技術の急激な向上2007年と2013年に米国内で製作されたクラウン、および固定性補綴物の材料による分類メタルフリークラウン・ブリッジへのシフト表1 2007年と2013年に米国内で製作されたクラウン、および固定性補綴物の材料による分類(Source:J. Shuck, Vice president for sales and marketing, Glidewell Dental Laboratories, written comminucation, Oct. 20132)。表2 2005年から2013年にかけての、金属を用いたクラウン・ブリッジとメタルフリーのクラウン・ブリッジの製作比率の変化(Source: LMT research Dept. 2013)。年度材料の種類による修復物の分類(%)メタルセラミックスオールセラミックス全部鋳造冠コンポジットレジン200765.323.98.02.8201316.980.22.20.7オールセラミックの人気の増大が続き、メタルセラミックスの市場を侵食している。LMTの調査データによれば、時系列に応じてメタルベースからメタルフリーへとクラウン・ブリッジの仕事量がシフトしている。年金属を用いたクラウン・ブリッジメタルフリーのクラウン・ブリッジ200583%17%200777%23%200875%25%201070%30%201355%45%QDT Vol.40/2015 March page0331
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