QDT2015年3月
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前編では、ハイブリッドセラミックブロックのセラスマート(ジーシー)を用い、低侵襲を意識したさまざまな症例を供覧した。本ブロックは現在、単冠用でインレー、アンレー、クラウン、ベニア修復への適応をもつ(前号図2参照)。また、セラミック単体のブロックとは異なり、20~30w%のレジン成分を含むことで、脆性材料であるセラミックの弱点、すなわち耐衝撃性や高速ミリング時の縁端でのチッピングを克服し、すぐれたマージン適合が得られることについてはすでに述べた。このことは、より範囲の狭い複雑な窩洞や、最後臼歯などでサポートが得られない症例においてはとくに有利となる(図1)。 しかしながら、現在市販されているハイブリッドセラミックブロックは単冠に限られており(図2)、幅広いケースでの応用を考えた場合、複数歯にわたる大型のブロックの登場も期待される。 そこで今回の後編では、高分子系のCAD/CAM用ブロックのもうひとつの材料であり、すでにブリッジへの対応も可能なテンポラリーレストレーション用のPMMA系ブロックについて、その臨床と展望を考察していきたい。はじめに■最後臼歯の窩洞はサポート不足になりがち■現在のところ、ハイブリッドセラミックブロックは単冠のみ図1a~c 最後臼歯のインレー窩洞の例。こうした症例ではより高い適合・サポートが必要になる。図2 前号で、そのすぐれた特性について述べたハイブリッドセラミックであるが、現在入手できるのは単冠用のブロックに限られる。abc

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