QDT2015年4月
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利点:・操作が簡便で、どの医療機関でも撮影できる・被曝量が少ない・コストが安い ・スタンダードサイトであれば、十分診断可能欠点:・難症例では断層面の情報が必要・三次元的な形態が把握できない・骨質・骨密度の予測ができない・解剖学的なランドマークが完全に読影できない利点:・デジタルデータである・三次元的な評価が可能・専用ソフトと併用することでシミュレーションが可能・骨質・骨密度の予測が可能・解剖学的危険域が確実に把握できる欠点:・撮影できる医療機関が限られる・被曝量が比較的多い・コストがかかる・断層面の正確な位置決めが不可欠・ステントを併用しての撮影が必要 近年のインプラント治療の進歩は、その適応症を無歯顎から部分欠損、そして前歯部審美領域にまで拡大させてきた。また、インプラント治療を行う歯科医師もここ10年程度で飛躍的に増加している。こうした中、昨今ではインプラント治療による合併症やトラブルも多く報告されるようになり、これを受けたマスコミなどによる「インプラントバッシング」はインプラントの市場の減少をもたらし、現在もその影響は続いている。 しかしながら、ここで問題となる合併症やトラブル ガイディッドサージェリーのコンセプトは、インプラントの埋入をより安全かつ正確に行うための補助的な術式として進歩してきた。従来、インプラントサイトの断層像の取得は医科用CTに頼らざるを得ないの大半は、術前の診査・診断が確実に行われていないことに起因することが明らかになってきている。適切なガイドラインに基づいた治療計画における、デジタル技術を応用したガイディッドサージェリーのもつ臨床応用の意味合いは、このような問題解決のための重要な解決策となると考えられる。そこで本稿では、その歴史と現在の到達点、および臨床上の注意点などについて述べていきたい。状況があり、一般的には被曝量の問題を回避するために、パノラマエックス線画像と簡単なマーカーを使用してガイド用ステントといった用途で使用されてきた(図1)。しかし、2001年以降になると歯科用コーンビーはじめに ─インプラント治療の現状とその問題点─1.ガイディッドサージェリーのコンセプトと歴史■パノラマエックス線写真による診断■歯科用コーンビームCTによる診断図1 パノラマエックス線写真によるインプラント術前診断の利点と欠点(Straumann Guide System資料より引用・改変)。図2 歯科用コーンビームCTによるインプラント術前診断の利点と欠点。
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