QDT5月
2/8
35座談会:米国補綴専門医にきく 頻出用語の本質(後)35■1つだけの基準では決定できないのが咬合高径(前号より続く)─それでは引き続き、こちらも基準や測定法に諸説ある「咬合高径」についてディスカッションをお願いいたします。土屋:咬合高径に関しては、「これだけで決定できる」という基準はなく、いかに複数の方法を組み合わせて決定していくかにかかっていると思います。また、中心位のお話と同じように、「必ずこうしなければならない」という教え方もされませんでした。須田:そうですね。土屋:やはり、多くの論文を読んで自分に合った組み合わせを考えていこうというスタンスでしたね。安静位、発音法、嚥下法などが考案されてきた歴史を学びつつ、それらを組み合わせてもっとも良いところを探していくということです(表1)。ですから、スプリントで観察した後、プロビジョナルレストレーションで確認していくのが一般的でしょう。須田:また、タフツ大学では週に何回かケースディスカッションの授業がありまして、学生どうしで話しあったりもしました。ただ、「the Quintessence」のPart2:咬合高径に関するディスカッションプロフィール(50音順)須田剛義2003年、大阪大学歯学部卒業。2007年6月にタフツ大学歯学部大学院補綴科(専門医課程)卒業。2008年、同校口腔外科研修。同年米国ボード認定補綴専門医取得。同年秋に帰国後、現在に至るまで、医療法人須田歯科にて勤務。米国補綴専門医、米国ボード認定補綴専門医(Diplomate of American Board of Prosthodontics)。タフツ大学大学院補綴科Adjunctive Assistant Professor、American College of Prosthodontistsインターナショナルフェロー、Seattle Study Club Japan ボードメンバーなど、その他、関西を中心に活動を行う。土屋嘉都彦2002年、福岡歯科大学卒業。2005年、米国州立インディアナ大学補綴科大学院(専門医課程)入学。2008年、同校卒業、J.F.J.スカラーシップアワード受賞、米国補綴専門医、M.S.D.(Master of Science in Dentistry)取得、米国Board認定補綴専門医(Diplomate, American Board of Prosthodontics)。2009年、帰国。2011年、福岡歯科大学補綴科臨床教授。American College of Prosthodontistsインターナショナルフェロー、日本補綴歯科学会 会員、日本口腔インプラント学会会員、九州インプラント研究会。現在、大分県佐伯市土屋デンタルクリニック勤務。錦織 淳1999年、東京歯科大学卒業、藤本歯科医院勤務。2005年、目黒区歯科医院勤務、藤本研修会インストラクター、2009年、米国州立インディアナ大学補綴科大学院(専門医過程)入学。2012年、インディアナ大学補綴科大学院修了、M.S.D.(Master of Science in Dentistry)修得、米国補綴専門医取得、2013年 有楽町デンタルオフィス勤務、The American College of Prosthodontics会員、東京歯科大学水道橋病院臨床講師、藤本研修会補綴咬合コース講師。QDT Vol.40/2015 May page0627
元のページ