QDT5月
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Feature article ♯2連載に先駆けて図48 リングケースに入ったミニチュアのメタルデンチャー。異なる金属(歯科用金合金:PGA-73PZ〔石福金属工業・左〕とチタン合金:クルタニウム TypeⅣ〔クルップ・右〕で製作している(東日本大震災復興支援チャリティ講演会のオークションに出品させていただいたもの)。 大きさは手前のたばこと比較するとわかるように非常に小さいが、維持腕のアンダーカット量からコネクターの構造力学まで、計算して製作したものである。これは東日本大震災復興支援チャリティ講演会のオークションに出品させていただいたもので、現在筆者の手元にはない。このような作品を若いときに数多く製作し、適合させるための術式を構築するために、多くの時間を費やした記憶がある。パーシャルデンチャーは、対側歯列にまたがる大きな装置であり、口腔内で適合していなければ、大きな金属の異物になりかねないのも事実である。しかし、適合させるための術式を構築できれば、劇的に口腔内で機能させるためのあらゆるデザインに対応できるはずである。 そこからさらに、「on the model」のラボ内だけの適合を超え、生体に適合する補綴装置を目指す必要がある。 筆者はこれまで、誌面上ではデンチャーワークの概念を述べさせていただいてきた。しかし本連載では、筆者が行っているラボワークのテクニックについて公開していきたいと思う。今回はその触りとして、メタルフレーム、オルタードキャスト印象、デンチャーカラーリングについてごく簡単に解説したい。112QDT Vol.40/2015 May page0704
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