QDT2015年7月
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41どう対応する? CRの変色・リペア41 これまで、コンポジットレジン(以下、CR)修復に関しては、それをいかに美しく行うかが注目されてきたが、実際の臨床では、すべてのCR修復が術直後の状態を維持しているわけではなく、厳しい口腔内環境に日々晒され、徐々に変化していく。これは、CRは無機材料であるセラミックとは違い、有機物を含むため酸などの口腔内環境による影響を受けやすいからである。その一方、CR修復の良 臨床でよく認められる、CRのリペアが必要な症例として、①マージン部の着色、②CRの光沢の消失、③CRの着色、④CRの変色が挙げられる(表1)。この中でも、とくにマージン部の着色はよく認められるため、その原因と対処法、予防法について詳説する。①マージン部の着色a)原因 マージン部に生じる着色の原因のほとんどは接着不良による色素侵入である。CRの接着は想像以上にテクニッいところは歯の削除量を減らせることに加え、トラブルがあった場合にリペアしやすいため、これらのわずかな欠点があったとしても、CR修復の臨床的価値は非常に高い。 今回は、このようなリペアが必要な症例にどのように対応するのか、テクニックはもちろん、もういちど同じトラブルを繰り返さないための理論的背景についても考察したい。クセンシティブであり、研究室のデータ通りの接着力を引き出せていないことが多い1。 もし自分で行ったCR修復のマージンに着色が生じるようであれば、自分の術式を振り返るチャンスである。多くの場合、どこかに原因があるので、思い当たるところをひとつずつ改善していくと良いだろう。b)対応法 対応方法として、①研磨、②部分修復、③再修復が考えられるが(表1)、筆者の臨床での頻度は「研磨」<「部分修復」<「再修復」である。前述のとおり、着色の原因は接はじめにCRリペアが必要な症例とその対応1.マージン部の着色①形態修正と研磨②部分修復③再修復2.CRの光沢の消失①再研磨②部分修復③再修復3.CRの着色①研磨②原因への対策4.CRの変色①再修復CRの変色の種類と対応方法表1 CRの変色の種類と対応方法。QDT Vol.40/2015 July page0953
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